アキちゃんとノリキー2

「奥さん、奥さん」

何処か遠くから、聞こえてくる感じ。ここに居てください。と通された部屋で、どのくらい座っていたのか、ボーっとしていた。

「お母さん、大丈夫?」

三女が警察署に来てくれた。

大丈夫、大丈夫。

大丈夫じゃない。

なのに、忘れ物は無いかなぁと思い巡らしたりして、変なの。

しっかりしなきゃ。

アキちゃんは自分は正しい。奥さんが出て行くと言うから、止めてただけだよ。としゃべくりまくっているらしい。いつもの自慢話しも。

はい、そうです。

これ以上、私の言う事を聞いてくれないのなら、出て行くと言いました。それがスイッチで、彼はキレて、激昂し、大暴れ。

何が?って、

ここ一か月で詐欺と思われる人と電話やネットでやり取りして、メインバンクの退職金全額取られたから。とめようとしても、取り返すから大丈夫と言いながら、ドツボにハマっている。

いい加減に目を覚ましてよ!

奥さん、ケガをしていませんか?

大丈夫ですか?

こう言う暴力、または言葉の暴力も含めて、DVって言うんですよ。

何?DV?

今日は家に一緒に帰ってはいけません。どこかに避難してください。

実家もダメ、子供の家もダメ、家族以外の所、ホテル等に行ってください。

え?夜中の2時に泊めてくれるホテルなんて、あるの?どうしよう。などと、考えてると、

今度は、警察官の人にむかって、アキちゃんが「お巡りさんは私に死ねと言うのだな。」と言ったそうです。ご主人を一人で帰す訳にはいかなくなりました。どうしますか?お嬢さん一緒に帰れますか?

って、無理無理。

あんな、怖い人、絶対無理。

次女が後から来てくれた。

この二人の判断がすごい。

(次女は看護師、三女は救急救命士)

以前からアキちゃんが通院している東京都の国立病院に連絡して、

事情を説明し、診察してもらえるか尋ね、アポをとり、民間の救急車を手配、みんなで、病院に行く事に…(ファインプレーだと思う)

我々は後ろから、自分の車でついていくのだけど。

警察官の皆さんにたのんで、アキちゃんを民間救急車に乗せてもらい、警察署を後にした。

都内の国立病院に到着。AM3:00

勿論、主治医の先生がいる訳無い。

しかし、神経内科医の診察を受け(家族全員)

では、結論です。あなたは、検査してみないと詳しい事はわかりませんが、おそらく、認知症です。

入院しましょうね。

と半強制的に連れていかれました。

今日はここまで、まだまだ始まったばかり。